豊口ミロさん妖精郷冒険SS
豊口ミロ、乙女。元々は神話研究をライフワークにしている探求好きな乙女であった。
しかし、今は黒にして黒曜バルクにフォーリンラブしてしまい、追いかけて世界移動までしてしまった、純情で勇敢な乙女である。
ミロは不満そうにしていた。
今は憩いの相手のバルクにしがみつき、二人で乗馬している状況でもだ。
「何か不満ですか?」
バルクが馬を手綱で操りながら訊いた。
「不満です」
ミロはむーっとでも言いたそうな顔をした。
彼女の視線の先には。
「まぁいいです、いつかは振り向かせますから」
「どこを間違えたんだか」
「そういう、運命を選んだだけですよ、私は。終わってから見れば、何も間違えてなんか居ません。そんなものです、きっと」
ラブシーンがあった。もっともラブシーンやってる当人達にしてみれば互いの人生がかかっている訳だから、面白い訳ではない。
が、他人から見たら、これはどう見積もってもラブシーンである。しかも相思相愛である。
ミロにしてみれば不満でない訳がない。
口ではああ言い合ってても仲いいじゃない、二人とも。
何だよ、僕だってバルクさんの事好きなのに。バルクさん、人の事ばっか考えてさ。僕の方も見ろってば。ふん。
口には出さないものの、ミロはそう言いたそうな顔で、上目遣いにジーッとバルクを見つめた。
バルクは視線を逸らした。
むーっ。
ミロは頬をパンパンに膨らませた。
「あーっ……天気がいいですね……」
いきなりバルクがかけた言葉に、ミロはキョトン、とした顔をしてもう一度上目遣いでバルクを見た。
相変わらず、バルクの視線は合わない。
「もしかして……僕の事気遣って、ですか?」
「ええっと……こう言う場合、どう言う言葉をかければいいのか……すみません、黒だと、女性に対してどう扱えばいいかと言う礼儀みたいなものがないのです」
よく見ると、バルクの頬は赤い。
本気で困っているのだとようやく分かった。
「……人の心配している暇があったら、自分の事どうにかしないと駄目じゃないですか?」
「えっ?」
ようやくミロはバルクと視線を合わす事ができた。
ミロはにぃ~っと笑う。
「もしまた唇奪われたらどうする気ですか。自分の身くらい護れるようにして下さい」
「なっ……」
バルクが口をパクパクさせている。
ミロはにぃ~っともう一度笑う。
やっぱり、僕バルクさん好きだな~。
ミロはそう思った。
こんな顔、僕の前だけだと嬉しいなあ~。
ようやくまともにミロはバルクに素直に甘え始めた。
バルクはしがみついてくるミロにどうすればいいか分からず、とりあえず頭を撫でた。
目的地はもうすぐそこだけど、せめて今だけはこのままがいいな~、とミロは心からそう思った。
しかし、今は黒にして黒曜バルクにフォーリンラブしてしまい、追いかけて世界移動までしてしまった、純情で勇敢な乙女である。
ミロは不満そうにしていた。
今は憩いの相手のバルクにしがみつき、二人で乗馬している状況でもだ。
「何か不満ですか?」
バルクが馬を手綱で操りながら訊いた。
「不満です」
ミロはむーっとでも言いたそうな顔をした。
彼女の視線の先には。
「まぁいいです、いつかは振り向かせますから」
「どこを間違えたんだか」
「そういう、運命を選んだだけですよ、私は。終わってから見れば、何も間違えてなんか居ません。そんなものです、きっと」
ラブシーンがあった。もっともラブシーンやってる当人達にしてみれば互いの人生がかかっている訳だから、面白い訳ではない。
が、他人から見たら、これはどう見積もってもラブシーンである。しかも相思相愛である。
ミロにしてみれば不満でない訳がない。
口ではああ言い合ってても仲いいじゃない、二人とも。
何だよ、僕だってバルクさんの事好きなのに。バルクさん、人の事ばっか考えてさ。僕の方も見ろってば。ふん。
口には出さないものの、ミロはそう言いたそうな顔で、上目遣いにジーッとバルクを見つめた。
バルクは視線を逸らした。
むーっ。
ミロは頬をパンパンに膨らませた。
「あーっ……天気がいいですね……」
いきなりバルクがかけた言葉に、ミロはキョトン、とした顔をしてもう一度上目遣いでバルクを見た。
相変わらず、バルクの視線は合わない。
「もしかして……僕の事気遣って、ですか?」
「ええっと……こう言う場合、どう言う言葉をかければいいのか……すみません、黒だと、女性に対してどう扱えばいいかと言う礼儀みたいなものがないのです」
よく見ると、バルクの頬は赤い。
本気で困っているのだとようやく分かった。
「……人の心配している暇があったら、自分の事どうにかしないと駄目じゃないですか?」
「えっ?」
ようやくミロはバルクと視線を合わす事ができた。
ミロはにぃ~っと笑う。
「もしまた唇奪われたらどうする気ですか。自分の身くらい護れるようにして下さい」
「なっ……」
バルクが口をパクパクさせている。
ミロはにぃ~っともう一度笑う。
やっぱり、僕バルクさん好きだな~。
ミロはそう思った。
こんな顔、僕の前だけだと嬉しいなあ~。
ようやくまともにミロはバルクに素直に甘え始めた。
バルクはしがみついてくるミロにどうすればいいか分からず、とりあえず頭を撫でた。
目的地はもうすぐそこだけど、せめて今だけはこのままがいいな~、とミロは心からそう思った。
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