4ヶ月ぶりのデート


今日の持ち物:クッキー
SS
多岐川佑華は挙動不審にガクガク揺れていた。
芹沢琴(出かける前)は呆れた顔で「またか」と見ていた。
「ネエ、芹沢」
「何ですか。と言うか何で片言なんですか佑華さん。アンタ何人ですか」
「しょう君私ノ事覚エテイルカナア……4ヶ月会ッテナインダ」
何言ってんだこの女。
芹沢は呆れた顔で多岐川を見ていた。
「あなたこの間電話かけた所じゃないですか!!」
「4月ニ入ッテカラまいるナクテ電話一度モカケテナイヨ」
「誕生日プレゼントもらったって喜んでいたじゃないですか」
「忘レラレテルカモシレナイ」
途端るーるるーと泣き始めた。
ちなみに挙動不審なのはいつもの事だし、マイナス思考なのもデフォルトなのだが、いささか今回は度が過ぎている。
「佑華さん、あなた少しは小カトーさんの事信じてあげなさいな。小カトーさんは別に佑華さんの事忘れたりしませんよ」
「? しょう君ノ事ハ信ジテルヨ?」
「はあ……?」
「信ジテナイノハ私自身デアッテしょう君ジャナイヨ?」
……この人本当どうしよう。
「アト」
「……何ですか?」
正直芹沢は多岐川に対するツッコミ疲れで疲労困憊である。
「でーとッテ何スレバイインデショウ?」
「アンタ何しに行くんですか」
もっともなツッコミである。
「でーとシナサイト言ワレテ考エタケド、普通ノでーとッテ何スルカ分カラナインダ。ドウシヨウ」
「……聞けばいいじゃないですか」
ちなみに多岐川、これ聞いて約2ヶ月悩み続けているが、よく分からなかったらしい。
頭にラフレシア咲いたようにゆらゆら揺れながら、多岐川が去って行くのを、芹沢は疲れた目で見送っていた。
「……私も恋愛したらああなるんですかねえ」
目がうつろであった。
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