船橋鷹大@キノウツン藩国さん依頼SS
いつか来るその日のために
船橋鷹大のくれた指輪を、空歌はじぃっとみつめていた。
「結婚式のことも考えないとな」
鷹大が何気なく言った言葉を思い出し、ぽっと顔が赤くなる。
結婚式。ウェディングドレス。どんなのがいいだろう。
真っ白なふわふわしたドレス? 薄いピンクのマーメイドドレスも可愛いかもしれない。
頭はベール? ティアラ?
ブーケはどんな花を入れよう。バラ? 百合? たくさんのマーガレットもいいなあ……。
空歌の想像は膨らむ。しかしそこで体型の事を思い出した。
空歌は落ち込んだ。
火焔ちゃんと違って、私は胸もくびれもないし……。
空歌はすんすんと泣き出した。
/*/
「こーら」
鷹大は後ろからコツンと空歌の頭を叩いた。
空歌はキョトンとした顔で振り返り、鷹大の顔を見た。
鷹大は苦笑を浮かべていた。
「鷹大君?」
「まーた勝手に落ち込んでいたろう?」
鷹大にそのまま抱き締められた。
空歌は鷹大の腕の中にすっぽりと収まる。
「ごめんね。一生懸命考えてたの」
「何を?」
「えっとね、結婚式の事」
空歌は言った。
鷹大は空歌を強く抱き締めた。
「結婚式、どうしようかなって。でもね、私ドレス着ても可愛くないかなあと思ってね……」
「前にも言ったろう? 俺にとって空歌が一番だ。他と比べなさるな」
「ごめんね」
「うーん……」
船橋は空歌を抱き締めながら少し考えて、言った。
「空歌は自分が悪くないのに謝りすぎる。今度から「ごめん」は禁止」
「ううっ……ごめんね」
「ほらまた」
「うう……」
空歌は何か言いたそうに言葉をもがもがした。
上手く言葉にできないらしい。
「式は二人っきりでする? 俺はできれば皆に空歌のきれいな姿を見て欲しいから人呼びたいけど空歌の好きにしたらいいよ」
「えっと……」
「教会でするとか、ホテル貸し切るとか」
「えっとえっと……」
プシュー。
空歌の思考回路のキャパシティーが限界を超えたようだ。
空歌は鷹大に抱き締められながら頭から煙をシューシュー出す擬音を出しながら、上手く出ない言葉にもがもがもがもがしていた。
「わあ! 空歌ごめん……」
「う、ううん、いいの、ごめんね」
「だから、謝るのは禁止」
「うー……」
「まあ、いいさ、ゆっくり行こう」
「う?」
空歌がもがもがしているのを見ながら鷹大は笑った。
「空歌のペースで1つずつ決めていけばいいさ。大丈夫」
「う、うんっ」
空歌は笑った。
鷹大はその空歌の笑顔を見てもう一度微笑んだ。
/*/
いつか来るその時のために。
二人でゆっくり歩いていこう。
二人のペースで。ゆっくりと。
船橋鷹大のくれた指輪を、空歌はじぃっとみつめていた。
「結婚式のことも考えないとな」
鷹大が何気なく言った言葉を思い出し、ぽっと顔が赤くなる。
結婚式。ウェディングドレス。どんなのがいいだろう。
真っ白なふわふわしたドレス? 薄いピンクのマーメイドドレスも可愛いかもしれない。
頭はベール? ティアラ?
ブーケはどんな花を入れよう。バラ? 百合? たくさんのマーガレットもいいなあ……。
空歌の想像は膨らむ。しかしそこで体型の事を思い出した。
空歌は落ち込んだ。
火焔ちゃんと違って、私は胸もくびれもないし……。
空歌はすんすんと泣き出した。
/*/
「こーら」
鷹大は後ろからコツンと空歌の頭を叩いた。
空歌はキョトンとした顔で振り返り、鷹大の顔を見た。
鷹大は苦笑を浮かべていた。
「鷹大君?」
「まーた勝手に落ち込んでいたろう?」
鷹大にそのまま抱き締められた。
空歌は鷹大の腕の中にすっぽりと収まる。
「ごめんね。一生懸命考えてたの」
「何を?」
「えっとね、結婚式の事」
空歌は言った。
鷹大は空歌を強く抱き締めた。
「結婚式、どうしようかなって。でもね、私ドレス着ても可愛くないかなあと思ってね……」
「前にも言ったろう? 俺にとって空歌が一番だ。他と比べなさるな」
「ごめんね」
「うーん……」
船橋は空歌を抱き締めながら少し考えて、言った。
「空歌は自分が悪くないのに謝りすぎる。今度から「ごめん」は禁止」
「ううっ……ごめんね」
「ほらまた」
「うう……」
空歌は何か言いたそうに言葉をもがもがした。
上手く言葉にできないらしい。
「式は二人っきりでする? 俺はできれば皆に空歌のきれいな姿を見て欲しいから人呼びたいけど空歌の好きにしたらいいよ」
「えっと……」
「教会でするとか、ホテル貸し切るとか」
「えっとえっと……」
プシュー。
空歌の思考回路のキャパシティーが限界を超えたようだ。
空歌は鷹大に抱き締められながら頭から煙をシューシュー出す擬音を出しながら、上手く出ない言葉にもがもがもがもがしていた。
「わあ! 空歌ごめん……」
「う、ううん、いいの、ごめんね」
「だから、謝るのは禁止」
「うー……」
「まあ、いいさ、ゆっくり行こう」
「う?」
空歌がもがもがしているのを見ながら鷹大は笑った。
「空歌のペースで1つずつ決めていけばいいさ。大丈夫」
「う、うんっ」
空歌は笑った。
鷹大はその空歌の笑顔を見てもう一度微笑んだ。
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いつか来るその時のために。
二人でゆっくり歩いていこう。
二人のペースで。ゆっくりと。
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