よんた@よんた藩国さん依頼SS
庭園と戸惑い
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石造りの建物が並んでいました。
その石造りの建物前の大きな門の前を私は珍しそうに眺めていたらよんたさんが来ました。
「珍しいですか? おひさしぶりです」
「あ。おひさしぶりです。ええ」
建物は随分古いように見えたので、珍しかったんですね。何だろう、日本の古い建物とかとは違う気がします。
「古い建物なので」
そう言ったらよんたさんはにこにこしながら門を見ていました。
大きな門です。
「そうですねえ……。帝國でもここは古い部類にはいるんでしょうねえ・・・っと、立ち話もなんですし入りましょうか?」
「入れるんですか?」
正直驚きました。
立派な建物なのに入れるなんて、と言うか私が入っていいんだなんてと、そう思いました。
「ええ、いけるはず……ですけど」
よんたさんが「お仕事おつかれさまです~」と門番さんに挨拶したら、普通に入れてくれて拍子抜けしました。
立派な建物に、私は何と言うか場違いのような気がしました。
建物に入った途端色々綺麗な花が咲いていて驚きました。
庭が立派なのはいい事です。
「ここがわが帝國が誇る宰相府の庭です。花がきれいなので、みんなの憩いの場所になってるみたいですよ」
「ああ。聞いたことはあります。あちこちに庭園を持っているという……。細川の殿様みたいな人ですね」
「細川の殿様ですか。そりゃあいい」
「おかげで熊本はあちこちに大きな庭園があるんですよ……わぁ。すごい……」
綺麗に手入れされています。
庭の手入れが行き届いているんだろうなあと思いました。
私が庭を見ている間、よんたさんは近くにいた人に話しかけていました。
「あれ、見ない顔だね? だれ?」
「はじめまして。帝國の末席におります。よんた藩国のよんたと申します」
「あー」
声をかけた人はいきなりひれ伏しました。
って、えー!?
私はよんたさんとひれ伏した人を見比べました。
よんたさんは困ったような顔をしていますが。
びっくりした……。よんたさんは偉い人だったんですね。どおりで普通にここに入れたはずです。
私は思わず距離を置きました。
私、偉い人とかそんな事も知らず、勝手に親しくして、恥ずかしい……。
何かいろんな人がよんたさんに礼をしています。
私はますます距離を置きたくなりました。
私、こんな所で、すごく場違い……。
「藩王様がこんな所で。どうですか? あちらのお連れ様と一緒に迎賓館で休まれては」
何か話が大きくなってる……。
よんたさんは心底困った顔で断っているのが、何とも言えずやりきれなくなりました。
こんな場所に連れて来られて、私、本当、恥ずかしい……。
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よんたさんが「静かに話せる場所に行こう」とおっしゃるので、冬薔薇園に来ました。
でも、何とも言えずに気まずいです。
「わあ。ほんとに熊本の殿様みたいですねー」
一応話しかけましたが、距離は250m程離れています。
「そうですね~」
「きれいですねー」
き、気まずい……。
穴があったら入りたいとはこう言う事を言うんでしょうか?
「え~っと、さっきからいろんな人にかしずかれてますけど。きにしないでいいですから~マジで」
よんたさんは少し情けない声で言いました。
あれだけ人にお辞儀されていたら、こちらも遠慮もしたくなります。
「おかまいなくー」
「は~い」
どう声をかけたらいいかが分からなくなりました。
私は膝を抱えたまま、目線だけをあちこちに泳がせました。
よんたさんが距離を詰めようとするので、私は距離を広げました。
本当に、どうすればいいのか分からなく、泣きたくなりました。
「王様もたいへんですよねー」
「そうですねえ……こうやって会いたい人ともまともに話せなかったり……」
「はいー?」
何か嬉しいような事を言っているような気がします。
が、はっきりしません。
「だ~か~ら~」
よんたさんが大声を出しました。
「俺はキミと一緒に今はいたいと~。森さんさえよければ~~~」
「よくきこえませーん」
私はだんだん、からかわれているような気分になってきました。
「ん~じゃあいいです。そのままできいていてくださ~~~い。今日呼んだのはここに一時退避してもらいたかったからなんです」
何となく分かりました。
やはり私はからかわれているようです。
何だかむっとしました。
「さすがに身分とか違いますからねー」
「そういうことじゃなくて~~~~~、うちにいると危ないからですっ!!」
「確かに身分とかありますよねー」
だんだん言ってて腹が立ってきました。
「だ~~~か~~~~ら~~~~。今、宇宙から空爆されかかってるから危ないっていってるんですよ~~~~っ!!」
ぷつん。
「嫌いなら直接そう言えばいいじゃないですか!」
私は立ち上がりました。
どうすればいいのか分からないけど歩き出しました。
そして気が付きました。
私、ここではすごく場違いなはずのに、これからどうすればいいんだろうと。
考えた末、歩きながら考える事に決めました。
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石造りの建物が並んでいました。
その石造りの建物前の大きな門の前を私は珍しそうに眺めていたらよんたさんが来ました。
「珍しいですか? おひさしぶりです」
「あ。おひさしぶりです。ええ」
建物は随分古いように見えたので、珍しかったんですね。何だろう、日本の古い建物とかとは違う気がします。
「古い建物なので」
そう言ったらよんたさんはにこにこしながら門を見ていました。
大きな門です。
「そうですねえ……。帝國でもここは古い部類にはいるんでしょうねえ・・・っと、立ち話もなんですし入りましょうか?」
「入れるんですか?」
正直驚きました。
立派な建物なのに入れるなんて、と言うか私が入っていいんだなんてと、そう思いました。
「ええ、いけるはず……ですけど」
よんたさんが「お仕事おつかれさまです~」と門番さんに挨拶したら、普通に入れてくれて拍子抜けしました。
立派な建物に、私は何と言うか場違いのような気がしました。
建物に入った途端色々綺麗な花が咲いていて驚きました。
庭が立派なのはいい事です。
「ここがわが帝國が誇る宰相府の庭です。花がきれいなので、みんなの憩いの場所になってるみたいですよ」
「ああ。聞いたことはあります。あちこちに庭園を持っているという……。細川の殿様みたいな人ですね」
「細川の殿様ですか。そりゃあいい」
「おかげで熊本はあちこちに大きな庭園があるんですよ……わぁ。すごい……」
綺麗に手入れされています。
庭の手入れが行き届いているんだろうなあと思いました。
私が庭を見ている間、よんたさんは近くにいた人に話しかけていました。
「あれ、見ない顔だね? だれ?」
「はじめまして。帝國の末席におります。よんた藩国のよんたと申します」
「あー」
声をかけた人はいきなりひれ伏しました。
って、えー!?
私はよんたさんとひれ伏した人を見比べました。
よんたさんは困ったような顔をしていますが。
びっくりした……。よんたさんは偉い人だったんですね。どおりで普通にここに入れたはずです。
私は思わず距離を置きました。
私、偉い人とかそんな事も知らず、勝手に親しくして、恥ずかしい……。
何かいろんな人がよんたさんに礼をしています。
私はますます距離を置きたくなりました。
私、こんな所で、すごく場違い……。
「藩王様がこんな所で。どうですか? あちらのお連れ様と一緒に迎賓館で休まれては」
何か話が大きくなってる……。
よんたさんは心底困った顔で断っているのが、何とも言えずやりきれなくなりました。
こんな場所に連れて来られて、私、本当、恥ずかしい……。
/*/
よんたさんが「静かに話せる場所に行こう」とおっしゃるので、冬薔薇園に来ました。
でも、何とも言えずに気まずいです。
「わあ。ほんとに熊本の殿様みたいですねー」
一応話しかけましたが、距離は250m程離れています。
「そうですね~」
「きれいですねー」
き、気まずい……。
穴があったら入りたいとはこう言う事を言うんでしょうか?
「え~っと、さっきからいろんな人にかしずかれてますけど。きにしないでいいですから~マジで」
よんたさんは少し情けない声で言いました。
あれだけ人にお辞儀されていたら、こちらも遠慮もしたくなります。
「おかまいなくー」
「は~い」
どう声をかけたらいいかが分からなくなりました。
私は膝を抱えたまま、目線だけをあちこちに泳がせました。
よんたさんが距離を詰めようとするので、私は距離を広げました。
本当に、どうすればいいのか分からなく、泣きたくなりました。
「王様もたいへんですよねー」
「そうですねえ……こうやって会いたい人ともまともに話せなかったり……」
「はいー?」
何か嬉しいような事を言っているような気がします。
が、はっきりしません。
「だ~か~ら~」
よんたさんが大声を出しました。
「俺はキミと一緒に今はいたいと~。森さんさえよければ~~~」
「よくきこえませーん」
私はだんだん、からかわれているような気分になってきました。
「ん~じゃあいいです。そのままできいていてくださ~~~い。今日呼んだのはここに一時退避してもらいたかったからなんです」
何となく分かりました。
やはり私はからかわれているようです。
何だかむっとしました。
「さすがに身分とか違いますからねー」
「そういうことじゃなくて~~~~~、うちにいると危ないからですっ!!」
「確かに身分とかありますよねー」
だんだん言ってて腹が立ってきました。
「だ~~~か~~~~ら~~~~。今、宇宙から空爆されかかってるから危ないっていってるんですよ~~~~っ!!」
ぷつん。
「嫌いなら直接そう言えばいいじゃないですか!」
私は立ち上がりました。
どうすればいいのか分からないけど歩き出しました。
そして気が付きました。
私、ここではすごく場違いなはずのに、これからどうすればいいんだろうと。
考えた末、歩きながら考える事に決めました。
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