忍者ブログ記事別アクセス推移 多岐川さんのアイドレス日記: 2008年06月24日
fc2ブログ

2008年06月24日

  1. 2008/06/24 燃料生産地

燃料生産地

 さて、突然だが燃料がない。
 これにより宰相府藩国は(主に宰相と秘書官が)頭を抱えていた。
 度重なる共和国天領からの攻撃に対抗する迎撃。I=Dと戦闘機、戦艦と戦闘部隊の出撃が続いていた。I-Dも戦闘機も戦艦も湯水のように燃料を使ってしまう。このままでは、燃料が枯渇して、宰相府藩国は滅亡してしまう。
 そんな中、大々的にプロジェクトが発動した。


/*/


 プロジェクトF~燃料生産地開発に挑む者達~


/*/


 化石燃料と呼ばれるものは、元々太古の生物が圧縮されて液状化したものである。
 そのため、燃料は一定地区に溜まっているものであり、燃料生産地を増やすとなるとこれまた難しい話である。
 宰相府は全国から技師達を召喚し、大規模に燃料生産地再開拓の命を出した。
 特に重宝されたのは宰相府藩国と同じ西国人国家の技師達である。地形や環境が似ているため彼等の意見は大いに参考になった。
 まずは技師達による宰相府藩国の燃料生産地の分析であった。西国人国家の燃料生産地に共通するのは、燃料生産地となる土地が人里離れた自然、未開拓の砂漠であると言う事。そのため開発は果ての砂漠を中心に行われる事となった。各国家から土砂対策の施されたびっくりどっきりな機械が送られ、大々的に再開拓が行われた。


/*/


「いやあ、暑いですねえ。ここも」
「燃料生産地は何でこうも暑い所ばかりにできるんですかねえ」
「全くです。うちの開発も大変でした」
「どこも大変なんですねえ」
「砂がね、敵なんですよ」
「ああ、分かります。機械に詰まったりとかね。今は土砂対策の機械ありますが、最初の頃は悲惨でした。何せ廃墟の下とかにあったもんですから、手作業で掘らないといけなかったんですよ」
「うちもですよ」
「まあうちもです」
「………」
「………」
 技師達の休憩中は互いの国の苦労話が飛んでいた。
 しかし帝國も共和国も問わず、技師の熱い魂は同じものである。
 彼等の活躍がなければ、乾いた熱い炎天下の砂漠での作業に耐え切れない所であった。
 技師達は砂漠の熱に焼かれて作業するのに慣れきっていた。また宰相府からの機械供給の支援も受け、燃料生産地再開拓は順調に進んでいた。
 しかし、またも共和国天領からの襲撃が噂されるようになった。
 技師達は宰相府からのプレッシャーと戦いながらの作業を強いられるようになったのだった。
 燃料不足にも関わらず、ここで燃料使わずにどこで燃料を使うか。
 宰相府から支援機械がぞくぞく送られてきて、開拓は急ピッチで進んだ。
 やがて、技師達の力により果ての砂漠の一部に立派な油田が出来上がったのである。
 

/*/


 技師達が砂漠で熱い戦いを繰り広げている中、学者達もまた戦いを繰り広げていた。
 議題はずばり、原油の効率の良い精錬方法。いかにコストを抑えていかに燃料として活用するかをタイムリミットぎりぎりまでに形にしなくてはいけなかった。
 いまやニューワールドでは燃料は必要不可欠、これがなくてはI=Dも戦闘機も戦場に出す事はできず、長い戦争を勝ち残る事ができないのは過去の記録からも明らかだった。
 ニューワールド中から学者が集められ、あれでもないこれでもないと議論を飛ばす事となった。
 原油は具体的に二つの燃料に分けられる。気化燃料と液体燃料である。精錬する事によって分けられるこれらをいかにコストを抑えて二つに分離するかが日夜激しく理論を繰り広げる事となった。
 コストを抑えに抑え込んだ所からどうやってより多い燃料を生み出すか。議論は議論を重ね、行き詰った。
 しかしある学者が発見したのだった。今まで捨てていた精錬後の原油のゴミを液体化して再加工して燃料に転じる技術を。これらの技術は急ピッチで形にされ、精錬所に反映された。何事もギリギリまでやってみるものである。


/*/


 こうして、技師と学者の汗と涙の結晶として、一大プロジェクト燃料生産地再開拓が終わった。
 油田から出る原油は学者達が調整に調整を重ねたコストダウンされた精錬所によって汲み込まれ、燃料に転化されていった。
「これで燃料生産地も大きくバージョンアップした。皆に感謝」
 参加技師、参加学者は宰相府から大いに栄誉をたたえられたと言う。
スポンサーサイト



  Template Designed by めもらんだむ RSS

special thanks: web*citron, ARCHIMIXDW99 : aqua_3cpl Customized Version】