忍者ブログ記事別アクセス推移 多岐川さんのアイドレス日記: 2008年05月
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2008年05月

  1. 2008/05/26 雷羅 来@よんた藩国さんからの依頼SS
  2. 2008/05/21 天空の騎士
  3. 2008/05/21 飛行場デート準備SS(ぽいもの)
  4. 2008/05/19 よんた@よんた藩国さん依頼SS
  5. 2008/05/15 第一級文族試験
  6. 2008/05/15 回答例その3(解説に替えて)
  7. 2008/05/15 回答例その2
  8. 2008/05/15 回答例その1
  9. 2008/05/12 黒崎克耶@海法よけ藩国さん依頼SS
  10. 2008/05/11 小カトー・多岐川(ACE)
  11. 2008/05/09 榊遊@え~藩国さん依頼SS
  12. 2008/05/01 霰矢蝶子@レンジャー連邦さん依頼SS

雷羅 来@よんた藩国さんからの依頼SS

 蓮華畑と美少年


 支那実、雷羅来、吉弥が初めて宰相府にやってきた場所は、辺り一面蓮華の見えるよい景観の場所であった。
 よんた藩国に滞在しているわん太と交流しようと言うのが今回の趣だったのだが、3人はわん太を見て驚いた。 やって来たわん太と言う少年、美少年であった。鼻が黒いのを除けば完璧である。
「わん太くん、はじめまして、こんばんわ~」
「っと、はじめましてー。」
「こんにちは初めまして~吉弥と言います」
「私は支那実といいます。よろしくね」
「おう、雷羅来や。」
「俺、わん! 太」
 まずはご挨拶。
 わん太は挨拶も独特たった。
 3人はちょっとびっくりした顔をした後、とりあえず本題に移る事にした。
「えーっと、とりあえずその辺散策して、持ってきた弁当でも食べよか。」
「あ、お弁当いっぱい持ってきたんです~」
「今日はわん太くんと一緒にお弁当食べようと思って来たんだよ。ねーらいさん、しなみおねーちゃん」
 わん太は不思議そうな顔をした後、尻尾を振った。
「悪い奴?」
 何故。
「悪いやつ、ではないと思う。がんばって良い奴になりたいとは思ってる」
 雷羅来はそう返答するものの、わん太は不思議そうにまた言った。
「悪い奴はたいてい食べ物でつるんだ。次に押し倒して服を脱がせようとするね」
 3人は返答に困った。
 一度集まり、作戦会議をする。


(どうしよう、わん太君私達怪しい扱いしてない!?)
(美少年だからかな……前に悪い人にひどい目にあったとか?)
(とっ、とにかくそんな気はこっちにはないっっ! とりあえずそれは分かってもらおう!!)
(オー!!!)


 3人は声出しをしてわん太の方に向き直った。
 わん太はくんくんと3人の持って来た弁当の匂いを嗅いでいた。
「ごめんね。ぼくたち食べるの好きで、こないだは詩歌国にもたくさんご飯持って冒険に行ってて」
「うん。うちの国は食いしんぼの国なので、みんなご飯もってお出かけするんだよ?」
「別に他人だし、関係ないし、あんたらは俺利用したいだけ。俺も利用する必要がやる。それでいいじゃん」
 わん太の言う事はいちいち独特だった。
「利用……って、なんかどうしてもやりたいことあるんか?」
 雷羅に問われて、わん太は笑った。
「めし」
 どうもお弁当を食べてくれる気はあるらしい。
「は~い♪ ご飯用意しますね」
 支那実は嬉しそうに持って来たお弁当を並べ始めた。吉弥もそれに続いて準備をする。
 食べるの大好きよんた藩国。持って来たものも様々だった。
「これが普通のよんた饅でしょ、こっちはローストビーフとか、おにぎりも持ってきたー。あ、レジャーシートもあるよ」
「お茶とジュースと紅茶もあるよ」
 わん太は2人がお弁当を並べるのを尻目に辺りを見回していた。
 春の園の蓮華畑は、ぽかぽかとした陽気に包まれていた。
「ここはどういうところ?」
「宰相府って言って、自分らの国の偉い人がおるとこ。その中の観光名所みたいなとこかな。正確には、宰相府の春の園、やな」
「どういう意味があるの?」
「きれいな花畑に、意味なんているか?」
「なるほど。俺をよんだのも意味はない系か」
 わん太は雷羅の言葉に納得したような顔をした。
 2人が話している間に、支那実と吉弥はお弁当の用意を終えた。
 わん太はひくひくと匂いを嗅いだ。
「あぁ、お口に合うかわからないけど、食べてみて」
 支那実の一言で、わん太は手掴みであれこれ食べ始めた。
 支那実はにこにこしながらお手拭きを用意して差し出す。
「来さんも吉弥君もどうぞー」
 吉弥と雷羅と並んで食べ始めた。
 と、わん太が食べ終えたようである。
「どう?お口にあった?」
「うお、たべんの早!」
「おいしいー。わん太食べるの早いねーお茶かジュース飲む?」
「腹減ってるとなんでもうまいね」
「よかったーおいしかったんだね」
「・・・・・」
 わん太は弁当を見て言った。
「安全なのは食べた」
 3人はまたも顔を見合わせた。


(ネギとかは入れてないけど……)
(犬が駄目なものって何だっけ?)
(ええっと……犬とか関係あるのかなあ?)
(もしかして私達、わん太から信用されてない……?)
(………)


 3人が考え込んでいる中、わん太は次々と指を指した。
「こいつとこいつとこいつは、毒が入っているかわからなかった」
 指されたのは玉子焼きとよんた鰻とロースとビーフである。
 梅干しも嫌がっているようである。
 3人はますますもって眉をひそめた。


(好き嫌い多いとか……?)
(それだったらいいけど、やっぱり信用の問題ちゃう?)
(うーん……)


 考えた末、雷羅が口を開いた。
「う、勉強不足か。何か好きな食べもん教えといてくれんか? 後学のために。」
「手の内はみせられないよ」
 わん太の即答にまたもまたも「うーん…」と考え込む羽目に陥った。
 3人の考え込むのをよそに、わん太はきょろきょろと辺りを見回した。
 春の園は宰相府でもいちにを争う位の観光スポットだが、今日はいささか人が少ない気がする。
 わん太は遠くのゴミ箱を指差した。
 数箇所設置されているようである。
「ゴミ箱が複数あるということは利用者は少なくないはずだ。どこかおかしい」
 そう言えばと吉弥は思った。
 最近になって戦闘があると言う情報が流れ始めていたはずである。
「……戦争の準備のせいかもしらん。近いうちに攻め込まれる可能性もあるらしいから……。」
「なるほど。あんたたちはバカ?それとも周囲がばか?」
「両方の可能性が高い。何とかできるように努力はしてるけど。」
「そう、わかった」
 わん太は警戒したらしい。3人から距離を取った。
「そっちがどう思ってようと、こっちは一緒に笑って飯食えるくらいにはなりたいとおもっとる。嫌かも知らんが、それは自分で決めたことやから、これは譲らんからな。また、会いに来る。絶対会いに来るからな。」
「仲良くなるというのは俺を押し倒すまで、親切そうに言う奴が言う台詞だ」
 3人はうーんと唸った。


(完全に警戒されちゃったみたいだね)
(うーん、まあ作戦変えよう。食べ物で釣ろうとすると思い込んでいるんだから食べ物以外で何とか興味をもってもらおう)
(わん太と普通に弁当食べれるようになりたいなあ)
(うんうん)
(頑張って、わん太とお弁当食べれるようになろう!!)
(おー!!!)


 3人は再度声だしをした。
 春の陽気はぽかぽかしている中、3人の戦いは始まった。
 わん太と仲良くなる。次のミッションの始まりだ。
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天空の騎士

L:天空の騎士={
 t:名称=天空の騎士(イベント)
 t:要点=青空,航空機,アクロバット
 t:周辺環境=飛行場
 t:特殊={
  *天空の騎士のイベントカテゴリ = 個人イベントとして扱う。
  *天空の騎士を取得したことで個人ACEは航空部隊に配属される。
 }
→次のアイドレス:・戦闘機の開発(イベント)・呼ぶと飛んでくる相方(強制イベント)・加藤屋の守り(職業)・多目的戦闘機の開発(イベント)



/*/


多岐川佑華 :こんにちはー生活ゲームに来ましたー

芝村 :おまたせしましたー。

芝村 :今日は0マイルでー

多岐川佑華 :はいー記事書き直しますー

多岐川佑華 :

【予約者の名前】0300058:多岐川佑華:FEG
【実施予定日時】5/21 16:00~17:00
【ゲームの種別】生活ゲーム
【イベントの種別(時間):消費マイル】
 ・ミニゲーム1時間:20マイル×1時間
【予約の有無】今回は不要
【召喚ACE】(※生活ゲームのみ)
 ・召喚ACE名:小カトー・多岐川:個人ACE:0マイル
【参加プレイヤーの食糧消費】3マイル×1人
【合計消費マイル】計23マイル
【参加者:負担するマイル】
 ・0300058:多岐川佑華:FEG:入学済:0マイル
芝村 :おまたせしましたー。

芝村 :今日は0マイルでー

多岐川佑華 :はいー記事書き直しますー





芝村 :イベントはどうするの?

多岐川佑華 :天空の騎士の結果を見に行きたいです

芝村 :お。

多岐川佑華 :罠臭いなーとは思うのですが小カトーは喜びそうなので

芝村 :2分待ってね

芝村 :/*/

芝村 :小カトーは手を広げてぶーんと言ってる

多岐川佑華

また多分飛行場デート


多岐川佑華 :一応今日の服装です

多岐川佑華 :「うにゃ?」小カトーの顔を見ます

小カトー:「イメージトレーニング」

芝村 :小カトーはそういった。

芝村 :今日もいい天気だ

多岐川佑華 :「えっと、航空部隊に入るから?」

小カトー:「あ。うん。なぜか俺にどうかって話がきてさ」

小カトー:「この世界で就職してもいいかなって」

多岐川佑華 :Q:どこの航空部隊かわかりますか?

多岐川佑華 :「そっかー」

多岐川佑華 :「就職おめでとう」にこにこ笑いながら小カトー見ます

芝村 :A:わからない。きいてみるといい

小カトー:「サンクス。へへ」

多岐川佑華 :「どこの航空部隊に入ったの?」

芝村 :小カトーは西方有翼騎士団の紋章を見せた。

多岐川佑華 :#よかった、変なとこじゃなかった…*1

多岐川佑華 :「ショウ君来月誕生日でしょう? 就職祝いと誕生祝いしないとねえ」

多岐川佑華 :「何か欲しいものある?」

小カトー:「俺が欲しいもの?」

小カトー:「んーと」

多岐川佑華 :「うん」

芝村 :小カトーは腕組んでなやんでる。

芝村 :いやー。 と何故か照れている

多岐川佑華 :「?」小カトーの顔見ます

小カトー:「なんでもない」

多岐川佑華 :「一応ね、用意はしてるんだ。ショウ君好きなもの。多分びっくりする」*2

多岐川佑華 :「何で照れるの?」

小カトー:「男には色々あるんだよ」

芝村 :#おもちゃの名前言おうとして恥ずかしくなっただけです

多岐川佑華 :#この子、別に格好つけなくてもいいのに

多岐川佑華 :「んとね。だから来月までに頑張るね。えっとね、その時に、友達紹介してもいい?」

多岐川佑華 :「私がずっとショウ君の事相談してた友達がいるの。私とショウ君がうまくいくよう励ましてくれた子。誕生日の時に会ってもらっていいかな?」*3

小カトー:「?別にいいけど」

多岐川佑華 :「よかったぁ」にこにこ笑った後抱きつきます

小カトー:「?」

小カトー:「ま、いいか。ぶーん」

芝村 :小カトーは嬉しそうに手のひらをひらひらさせた。光が手のひら越しにみえた

多岐川佑華 :r:抱き付いて離れません

多岐川佑華 :Q:その光は何か分かりますか?

芝村 :太陽だよ

多岐川佑華 :#よ、よかったあ*4

多岐川佑華 :「ショウ君嬉しい? 航空部隊入れて」抱きついたまま聞きます

小カトー:「まあ、いや・・・まあうん」

芝村 :小カトーはにこーと笑った。

多岐川佑華 :r:一緒に笑います

小カトー:「えーと」

芝村 :小カトーは照れている

多岐川佑華 :「よかったぁ……」少し泣きます*5

小カトー:「なくなって。えーと。あー。まだ見習いなんだけど」

小カトー:「見てみる?俺の働いてるところ」

多岐川佑華 :「うん。見たい」気が済んでようやく離れます

小カトー:「よし。じゃあ、明日集合な!」

多岐川佑華 :「うん!!」

芝村 :/*/

芝村 :翌日だよ。

芝村 :貴方は宰相府までやってきた。ここは飛行場だ。

芝村 :見学とか言うと簡単にはいることができる

多岐川佑華 :Q:小カトーの姿は見えますか?

芝村 :A:見えるねえ。遠くに国民戦闘機が見えるよ

芝村 :複座だ

多岐川佑華 :「ふえー」きょろきょろあちこち見てます

多岐川佑華 :「ショウ君っ」小カトーの元寄っていきます

小カトー:「こっちこっちー」

小カトー:「へへ」

芝村 :国民戦闘機は白く塗られているね。こうみると格好いい

多岐川佑華 :「格好いいねえ」にこにこしながら小カトーと機体を見ます

小カトー:「朝食、ぬいてきた?」

多岐川佑華 :「うん」頷きます

小カトー:「じゃ。きまりな。乗れよ」

多岐川佑華 :Q:ちなみに今着てるアイドレス、サイボーグ+ドラッガー+WDダンサーですが大丈夫でしょうか?

芝村 :A:大丈夫だよ

多岐川佑華 :「約束、覚えててくれたんだ……」素直に感動しながら後ろ乗ります*6

小カトー:「よおし」

芝村 :エンジンの起動装置、かかった。

芝村 :機体が揺れ始めた。チョークが払われる。

多岐川佑華 :「おー」

多岐川佑華 :小カトーが動かしてるのに素直に感動してます

芝村 :機体が進み始める。え。まだ滑走路のってないのに速度はやい

芝村 :あ。ういた

多岐川佑華 :機体に身を任せます

芝村 :なんと滑走路ではなく誘導路で機体がとんでしまった。

芝村 :管制官がどやしてるのを小カトーは笑った。

芝村 :30mの高度から背面飛行で飛んでる。

多岐川佑華 :「おーすごーい」感動しています

多岐川佑華 :「ショウ君すごーいすごーい」きゃっきゃと手を叩きます

芝村 :小カトーは笑って機体を上昇にいれた。

芝村 :どんどん昇っていく上昇力はすばらしい

多岐川佑華 :「すごーい」窓とかあちこち見て感動してます

小カトー:「ジェットコースターとか、大丈夫なほう?」

多岐川佑華 :「うん大丈夫」わくわくしてます

芝村 :小カトーは機体を上昇させたままだ。ほとんど90度

芝村 :ああ。機体の速度が落ちていく

多岐川佑華 :「う?」身構えます

芝村 :止まった。上を向いたまま。

芝村 :そして機体は、落ち始めた。

小カトー:「ひゅー」

多岐川佑華 :「きゃー!!」歓声あげます

芝村 :小カトーは機体を捻りこんでくるりと向きを変えた。

芝村 :落下開始

多岐川佑華 :「きゃー!!」落下してく感覚に身を任せながら叫んでます

芝村 :エンジン再起動開始。航空機は速度落ちるとエンジン止まるんだよ。

多岐川佑華 :#おー、そうなんですか

芝村 :綺麗にかかった。

芝村 :エンジンが小カトーを寵愛している。

芝村 :機体は鮮やかに引き起こされた。

芝村 :ターン。

芝村 :地上で管制官達が感動してその様を見ている。

芝村 :怒るのすら忘れてる

多岐川佑華 :r:笑いながら叫んでます

芝村 :貴方ははじめて小カトーが格好いい事をしってしまった。*7

芝村 :/*/

芝村 :はい。お疲れ様でした。

芝村 :イベントは成功です。

芝村 :評価は+1+1でした。

多岐川佑華 :お疲れ様ですー

多岐川佑華 :あー、もうこの子の為にも戦闘機頑張ります

芝村 :ははは。

芝村 :秘宝館には1、1でたのめます

多岐川佑華 :ありがとうございますー

芝村 :まあ、はじめて格好よかったかもなあ

多岐川佑華 :あの子は格好つけだけどいい格好見せてくれた事はなかったですからねえ。落ちてきてばっかり

多岐川佑華 :(半分私のせい。反省)

芝村 :ええ

芝村 :では解散しましょう。お疲れ様でした。

多岐川佑華 :お疲れ様です。ありがとうございましたー


*1:変なとこ入ったら泣いて止める予定でした。よかったよかった
*2:派生の「戦闘機の開発」を誕生日合わせでデータもらう為に製作中です。メカ文族でもないのに戦闘機の文を血反吐吐きながら書いています。
*3:今回の目的の半分は誕生日にオフで散々愚痴こぼしてた友人にゲームおごる為でした。
*4:世界移動していく光景を何度も見てるせいで光に過敏反応します。
*5:PL的にはこの子騙してるつもりはないけど黙ってる事多い為に色々小カトーに対して思ってる事が多いです。泣くのはもう癖です。
*6:「青空の下の小さな約束」参照。飛行機一緒に乗る約束していました。
*7:えー、小カトー格好いいとはいつも思ってますよー?

飛行場デート準備SS(ぽいもの)

また多分飛行場デート



 SS


 多岐川佑華、ひどく落ち込んでいた。
 行列のできる恋愛相談所にでかけてって診断してもらった結果が原因であった。

芝村 > 多岐川佑華 20度 ベルカイン・山吹コンビ以上の一方的関係
芝村 > 多岐川佑華は小カトーをもう少し自由にさせたほうがいい。ワンパターンすぎて相手が身動きできない

 ………。
 一言も否定できなかった。
 そうだよねえ、私しつこいもんねえ、忘れられたもんねえ、しつこいもんねえ。
 いじけていた。へこんでいた。落ち込んでいた。
 まあ、いじけてばかりいるのも仕方ないのでとりあえず着替えた。
 本当、どうしようかなあとか思った。
 とりあえず会ってから考えよう、そうしよう。
 それだけ心に決めて出かける事にした。

 今日小カトーが航空部隊に入隊するらしい。
 会って「おめでとう」の一言だけでも言いたいのであった。

よんた@よんた藩国さん依頼SS

 庭園と戸惑い


/*/


 石造りの建物が並んでいました。
 その石造りの建物前の大きな門の前を私は珍しそうに眺めていたらよんたさんが来ました。
「珍しいですか? おひさしぶりです」
「あ。おひさしぶりです。ええ」
 建物は随分古いように見えたので、珍しかったんですね。何だろう、日本の古い建物とかとは違う気がします。
「古い建物なので」
 そう言ったらよんたさんはにこにこしながら門を見ていました。
 大きな門です。
「そうですねえ……。帝國でもここは古い部類にはいるんでしょうねえ・・・っと、立ち話もなんですし入りましょうか?」
「入れるんですか?」
 正直驚きました。
 立派な建物なのに入れるなんて、と言うか私が入っていいんだなんてと、そう思いました。
「ええ、いけるはず……ですけど」
 よんたさんが「お仕事おつかれさまです~」と門番さんに挨拶したら、普通に入れてくれて拍子抜けしました。
 立派な建物に、私は何と言うか場違いのような気がしました。
 建物に入った途端色々綺麗な花が咲いていて驚きました。
 庭が立派なのはいい事です。
「ここがわが帝國が誇る宰相府の庭です。花がきれいなので、みんなの憩いの場所になってるみたいですよ」
「ああ。聞いたことはあります。あちこちに庭園を持っているという……。細川の殿様みたいな人ですね」
「細川の殿様ですか。そりゃあいい」
「おかげで熊本はあちこちに大きな庭園があるんですよ……わぁ。すごい……」
 綺麗に手入れされています。
 庭の手入れが行き届いているんだろうなあと思いました。
 私が庭を見ている間、よんたさんは近くにいた人に話しかけていました。
「あれ、見ない顔だね? だれ?」
「はじめまして。帝國の末席におります。よんた藩国のよんたと申します」
「あー」
 声をかけた人はいきなりひれ伏しました。
 って、えー!?
 私はよんたさんとひれ伏した人を見比べました。
 よんたさんは困ったような顔をしていますが。
 びっくりした……。よんたさんは偉い人だったんですね。どおりで普通にここに入れたはずです。
 私は思わず距離を置きました。
 私、偉い人とかそんな事も知らず、勝手に親しくして、恥ずかしい……。
 何かいろんな人がよんたさんに礼をしています。
 私はますます距離を置きたくなりました。
 私、こんな所で、すごく場違い……。
「藩王様がこんな所で。どうですか? あちらのお連れ様と一緒に迎賓館で休まれては」
 何か話が大きくなってる……。
 よんたさんは心底困った顔で断っているのが、何とも言えずやりきれなくなりました。
 こんな場所に連れて来られて、私、本当、恥ずかしい……。


/*/


 よんたさんが「静かに話せる場所に行こう」とおっしゃるので、冬薔薇園に来ました。
 でも、何とも言えずに気まずいです。
「わあ。ほんとに熊本の殿様みたいですねー」
 一応話しかけましたが、距離は250m程離れています。
「そうですね~」
「きれいですねー」
 き、気まずい……。
 穴があったら入りたいとはこう言う事を言うんでしょうか?
「え~っと、さっきからいろんな人にかしずかれてますけど。きにしないでいいですから~マジで」
 よんたさんは少し情けない声で言いました。
 あれだけ人にお辞儀されていたら、こちらも遠慮もしたくなります。
「おかまいなくー」
「は~い」
 どう声をかけたらいいかが分からなくなりました。
 私は膝を抱えたまま、目線だけをあちこちに泳がせました。
 よんたさんが距離を詰めようとするので、私は距離を広げました。
 本当に、どうすればいいのか分からなく、泣きたくなりました。
「王様もたいへんですよねー」
「そうですねえ……こうやって会いたい人ともまともに話せなかったり……」
「はいー?」
 何か嬉しいような事を言っているような気がします。
 が、はっきりしません。
「だ~か~ら~」
 よんたさんが大声を出しました。
「俺はキミと一緒に今はいたいと~。森さんさえよければ~~~」
「よくきこえませーん」
 私はだんだん、からかわれているような気分になってきました。
「ん~じゃあいいです。そのままできいていてくださ~~~い。今日呼んだのはここに一時退避してもらいたかったからなんです」
 何となく分かりました。
 やはり私はからかわれているようです。
 何だかむっとしました。
「さすがに身分とか違いますからねー」
「そういうことじゃなくて~~~~~、うちにいると危ないからですっ!!」
「確かに身分とかありますよねー」
 だんだん言ってて腹が立ってきました。
「だ~~~か~~~~ら~~~~。今、宇宙から空爆されかかってるから危ないっていってるんですよ~~~~っ!!」
 ぷつん。
「嫌いなら直接そう言えばいいじゃないですか!」
 私は立ち上がりました。
 どうすればいいのか分からないけど歩き出しました。
 そして気が付きました。
 私、ここではすごく場違いなはずのに、これからどうすればいいんだろうと。
 考えた末、歩きながら考える事に決めました。

第一級文族試験

設問

26万7000tのバナナがあります。ナスカの地上絵を描きなさい。物語で

回答例その1

回答例その2

回答例その3(解説に替えて)

回答例その3(解説に替えて)

 回答例その1書き終えた後の姉妹の会話。



「『26万7000tのバナナがあります。ナスカの地上絵を描きなさい。物語で』と言われたので書かなければいけない。書いてみたけれどどうだろう?」

「(回答例その1読了)26万7000tもバナナ落としていったら普通大人も気付くと思うよ?」

「うーん、やっぱり国中でやっても説得力ないか」

「26万7000tのバナナを一気に消化する方法考えないといけないね。普通一箱にバナナってどれだけ入っているものなの?」

「13kg」

「やっぱり……うーん例えば輸送経路とかで事故起こすとかしないと26万7000tのバナナ消化なんて無理だね」

「事故……」

「飛行機落とすとか」

「消化……しょうか……消火……。いっそバナナ畑燃やして解決するか」

「ひでえ」

「飛行機事故でバナナ畑燃やしてみて、燃やした跡が上から見たらちょうど鳥の絵とかになってるの」

「それだ、それで行け」

「ただ一つ問題があるんだ」

「何?」

「それ書いて私の人格が問われないだろうか?」

「………」

「ちょっと待て、目を反らすなこっち見ろ。……いいもんいいもんいいもんねえ、書いてやるから、書いてやるんだから……」



 そして回答例その2に続く。

回答例その2

 昔ではないどこかに、一つの国がありました。
 その国は大昔に戦争で負け、植民地になっている国でした。
 国の人達はバナナを作り、それを本国に売って生計を立てていました。
 毎年毎年甘い匂いがする国でしたが、それを国の人達が口にする事はできませんでした。
 口にしたら罰が下ります。すなわち死刑。
 国の人達は食べたいなあとは思っても、口にするのも恐ろしくて口にする事はありませんでした。
 そんな中、一つの事件がありました。


/*/


 この国の民間人には乗り物は馬車しかありません。しかし本国の輸送経路は別です。
 この国の人々が馬車を使って送ってくるバナナを、飛行機に乗せて送り届けるのです。
 今日も、普通に本国へ向かう飛行機が飛び立ちました。
 はずでしたが。


 その日、一人の少年はひどくきな臭い匂いで目が覚めました。
 焦げ臭い匂いは辺り一面を包んでいました。
 少年は慌てて飛び起きました。
 大人を起こして回り外に出て愕然としました。
 バナナ畑一面が燃えているのです。
 見ると見た事のない鉄の塊が落ちていて、顔を灰で真っ黒にした人が這い上がって逃げていくのが見えました。
 大人達は慌てて井戸の水を汲み始めました。
 子供は女の人達に担がれて川の方まで逃げ出す事になりました。
 少年はどうしようと迷った結果、大人について消火の手伝いを始めました。


/*/


 バナナ畑は火が燃え広がって、あちこちがすすだらけになりました。
 大人は頑張って消火活動をしたのですが、森にまで燃え広がり、結果逃げ出すしかありませんでした。
 雨が降るまで人々は避難するしかなかったのです。
 何と言う事でしょう。住んでいた家も、畑もすすだらけです。
 この国はバナナを売って生計を立てているのですが、肝心の畑が無くなってしまっては生活が出来ません。
 人々は途方に暮れました。


/*/


 民間人には移動手段が馬車だけなのですが、貴族は別です。
 貴族は飛行機も自動車も持っています。
 今日も貴族は観覧の為に飛行機を飛ばして遊んでいました。
 その中に、一人の貴族の少女がいました。
 貴族の少女は退屈でした。大人の話は何を言っているのかよく分かりません。少女は大人の話にうんざりして、窓を見ていました。窓を見て、少し目を凝らし、少女は微笑みました。
「鳥だわ、鳥が地面にいる」
 少女は窓に張り付いて下を見ました。
 バナナ畑が燃え広がり、雨で消火された結果、畑が見事に鳥の形になっていたのです。
 少女はすごい発見をしたように微笑みました。


/*/


 国の人々にとって、明日からの生活がすごく心配でした。
 バナナ畑を燃やしてしまったのです。本国から死刑を宣告されるかもしれないと、大人達は戦々恐々としました。
 そんな中本国から通達が来て、人々はポカンとしました。

「地面に描かれた絵を管理するように」

 何のことだかさっぱり分かりませんが、焼け跡を残しておくようにと命令されたのです。
 それから国の人々は言われた通りに焼け跡の整備をするようになりました。
 整備をしていたら本国からお金が渡されるようになりました。
 国の人々は、何故、どうしてと思いながらも、焼け跡の整備をする事で生計を立てられるようになったのでした。

 ちなみに本国の統計によると、この火災での被害総数はバナナ26万7000tにも上ったとの事です。

回答例その1


 昔ではないどこかに、一つの国がありました。
 その国は大昔に戦争で負け、植民地になっている国でした。
 国の人達はバナナを作り、それを本国に売って生計を立てていました。
 毎年毎年甘い匂いがする国でしたが、それを国の人達が口にする事はできませんでした。
 口にしたら罰が下ります。すなわち死刑。
 国の人達は食べたいなあとは思っても、口にするのも恐ろしくて口にする事はありませんでした。
 そんな中、一つの事件がありました。


/*/


「バナナが食べたいなあ」
 一人の少年が言いました。
 国の人はみんなバナナを作って暮らしているので、少年も例に漏れずバナナを作っている家の少年でした。
 少年はまだ怖いもの知らずの年頃で、いい匂いがするけれど、誰も食べた事のないバナナに興味津々でした。
「やめておきなよ、怒られるよ」
 少女が言いました。
 少女は少年の幼馴染で、少女も例に漏れずバナナを作っている家の少女でした。
「だってあんなに沢山あるのに、誰も食べた事がないんだろう? 食べてみたいと思わない?」
「そりゃ思うけどさ……」
 そう言って少女は「しまった」と口を手に当てました。
「どうやったら食べられるだろう?」
「無駄よ。大人がみんなバナナ見てるじゃない」
「見てない時っていつだろ?」
「いっつも見ています」
「夜寝る時は?」
「交代で見張っています」
「運んでいる時は?」
「運びながら見ています」
「運びながらってどうやって?」
 少女は口をつぐみました。
 この国の民間人には自動車などはありません。大人はバナナを沢山馬車に詰め込んで、それを運んでいくのです。大人は馬車を操っているので、操っている時に馬車の中を見ている人はいません。
 少年は声を弾ませて言いました。
「馬車の中に忍び込んで食べればいいんだよ」
「でも……」
 少女は言います。
「分かってるの? 見つかったら死刑よ? 第一あのバナナはまだ食べられないわ」
「うん、ならさ……」
 少年はゴニョゴニョ少女の耳に囁きました。
 少女は顔をしかめましたが、「まあ、無理だと思うけど」とだけ言い、それ以上は何も言いませんでした。少年はワクワクしながら、夜が来るのを待ちました。


/*/


 バナナは朝になると摘み取られて出荷されます。
 少年と少女はバナナを入れる箱と箱の間に上手い具合に空間を作って、その中に夜の間に潜り込んでいました。
 見つかったら死刑と聞くとドキドキしますが、今は目の前のバナナの方が気になります。
 大人がバナナを運んで箱に入れ、並べている音が聞こえました。
 馬の鳴き声も聞こえます。大人が馬車を動かし始めたのでしょう。
 少年と少女は、ゴソゴソとバナナの箱を一つばらけました。
 大人に見つかったらどうしようと思いましたが、幸い道が荒く、何度も何度も震動で箱がガタガタ鳴るので気付かれませんでした。
 少年と少女はバナナを箱から取り出しました。まだ熟成されていないバナナは緑で、食べられそうにありません。少年と少女はそのバナナを道にポイポイ捨て始めました。


 少年の考えた作戦とは、バナナが震動で落ちたように見せかけて、バナナを行く道柄で捨てて行き、帰りに取りに行こうと言うものでした。1日陽の下に放っておいたなら、こんなに暑いのだから熟成されて、きっと食べられるだろうと思ったのです。バナナを一箱落としました。さあ、後は帰りを待つだけです。少年と少女はワクワクしながら箱と箱の隙間で待ちました。
 帰る頃には、すっかり日も暮れていました。少年と少女は箱と箱の隙間を縫ってこっそりと馬車から降りたのですが、落としていったバナナは見つかりませんでした。何で? どうして? 少年と少女は途方に暮れましたが、朝から大人に隠れて馬車に乗っていたのです。家に帰らない訳にはいきません。少年と少女は帰る道帰る道を探し回ったのですが、バナナは見つかりませんでした。


/*/

 その日の夜、行方不明になっていた少年と少女は大人にこってりと絞られました。
 幸いな事に、バナナが何箱か無くなっている事には気付かれませんでした。
 この事が子供達の間で噂になりました。大人に気付かれないようひそひそ、ひそひそと。
 子供達も少年と同じ、バナナが食べてみたくてしょうがなかったのです。
 バナナは無くなっていても、食べた証拠がありません。だからやってみたらいつかは食べられるかもしれない。子供達の中で、バナナを運ぶ馬車に隠れ、バナナの箱を落とす事が流行るようになりました。
 いつしか、その話は国中に広まり、国中の子供達がこぞってバナナの箱を落とすようになったのです。


/*/


 さて、少年と少女が落としたバナナはどこに行ったのでしょうか?
 答えは、案外分かりにくい所にありました。
 普段、バナナ農園は敷居が高くて、動物達は入れません。
 夜に忍び込めればいいのですが、夜は火を焚いているので怖くては入れないのです。
 動物達もまた、バナナが食べたくて食べたくてしょうがなかったのです。
 落としたバナナを最初に見つけたのは飛んでいた鳥でした。
「あれがバナナか。美味そうだ」
 鳥は喜んで一房巣に持って帰って食べたのですが、まだ固くて青臭くて美味しくありません。
 鳥は怒ってバナナをポイポイ道に捨て始めました。
 鳥の他にもサルや鹿が食べに来ました。しかし美味しくなかったのでポイポイと捨ててしまいました。
 こうして、少年と少女が落としていったバナナはあちこちに散らばってしまったのです。


/*/


 民間人には移動手段が馬車だけなのですが、貴族は別です。
 貴族は飛行機も自動車も持っています。
 今日も貴族は観覧の為に飛行機を飛ばして遊んでいました。
 その中に、一人の貴族の少女がいました。
 貴族の少女は退屈でした。大人の話は何を言っているのかよく分かりません。少女は大人の話にうんざりして、窓を見ていました。窓を見て、少し目を凝らし、少女は微笑みました。
「絵があるわ」
 誰に呟くでもなく少女は言いました。
 緑がたくさん見える中、黄色い点々が散らばって、それがキレイな絵になっていたのです。
 少女は不思議な発見をしたように、にこにこ笑っていました。


/*/


「いつになったらバナナを食べられるんだろう?」
 少年は途方に暮れていました。
 あれから数日間。大人には幸い見つからずにやり過ごしていましたが、バナナが食べられないままだったのでした。
「もう諦めたら?」
 少女は呆れながら言いました。
「諦めたら、もうバナナ食べられないじゃない」
 少年は「むー」と言う口調で言いました。


 少年も少女も、子供達も、森の動物達も、気が付きませんでした。
 みんなでバラバラに散りばめたバナナが、熟して黄色くなり、それが絵を描いていた事を。貴族達の間では飛行機に乗って遊覧し、絵を見て回るのが流行りだしたと言う事を。
 数日間で、26万7000tも使っていたなんて事、気づく事はありませんでした。

黒崎克耶@海法よけ藩国さん依頼SS

 静かな森にネコリスは住んでいました。
 ネコリスはお話を食んで生きています。
 時々森にやってくるお話を話してくれるおじいさんや、子供達のお話を食みます。
 時には一緒になって遊ぶ事もあります。
 ネコリスと人間は友達だったのです。少し昔は。


/*/


 それは突然の出来事でした。
 森が、ネコリス達が住んでいる森が燃えてしまいました。
 友達が、人間が戦争をして、森を燃やしてしまったのです。
 ネコリスは小さい体を懸命に振るって逃げ惑いました。
 大勢の仲間が死にました。
 ネコリスは悲しみました。
 何でこんな事をするの? 何で僕達の森を壊すの?
 ネコリスは悲しくなって、人間から離れる事にしました。
 わずかに残った森の奥へ、奥へ。
 ネコリスは人間の前から姿を消してしまいました。


/*/


 油で汚れたネコリスが、焼け残った森の中を彷徨っていました。
 燃えた森の中を逃げ回り、気づけば仲間の数が減っていました。
 何かお話の匂いを感じました。
 ネコリスは脅えた顔で匂いの方を向きました。
「にゃ…にゃんにゃんちゅー…」
 人間でした。
 ネコリスは脅えた顔で人間を見ました。
「に、にげないで、ごめんなさい…」
 人間は泣いていました。
 ネコリスはじっと人間を見ました。
「なにもしないから…」
 人間はじっとネコリスを見ました。
「腰を落とせ」
 もう一人の人間に諭され、一人の人間は腰を落としました。
 ネコリスの目線になりました。
「あう」
 人間は一生懸命言葉を紡ぎだそうとしました。
「ごめんなさい……家族とか仲間を奪ってしまってごめんなさい……」
 一生懸命に人間は謝りました。
「ここまでした自分達を許してくれとはいいません……」
 ネコリスは逃げました。
 何で謝るのに、何で森を燃やしたの?
 ネコリスは悲しみました。
 森の奥へ。奥へ。人間に見つからないよう遠くへ。遠くへ。
 ネコリスは絶望していたのです。


/*/


 その日、ネコリスはお話の匂いを嗅ぎ取って空を仰ぎました。
 光がきらきら輝いて、雨が降り注いでいます。
 焼けた森に苔が生しました。
 草が高さがどんどん変わり、木々が伸び始めました。
 ネコリスは勇気を出して光の近くに集まりました。
 人間が並び、歌を歌っていました。
 歌を聞きながら、いつかに見た人間二人が苗を植えているのが見えました。
 ネコリスは歌に耳をすませました。
 歌は高く高く伸び、森がぐんぐんと蘇るのが分かりました。
「にゃんにゃんちゅー」
 ネコリスは久々に嗅ぐ森の緑の匂いを嗅ぎました。


/*/


 ようやく元に戻った森に、ネコリスは少しずつ増え始めました。
 あちこちに散らばっていたネコリス達が、森に帰ってきたのです。
 その日、ネコリスはお話の匂いがし、鼻をヒクヒク動かしました。
 いつかに見た人間です。
「ねこー」
「にゃ、にゃんにゃんちゅーですよ、ソウイチローさん」
 ネコリスは様子を伺いました。
「にゃんにゃんちゅー」
 人間が言いました。
 ネコリスは耳をぴくぴくすませました。
 人間からは、何かお話の匂いがします。
 ネコリスは最初は怖がって逃げましたが、人間は諦めませんでした。
 人間は懸命に「にゃんにゃんちゅー」と呼んでネコリスを探しているようです。
 とうとう、一匹の勇気あるネコリスが、人間の元に近付きました。
 ネコリスは人間を見上げました。
 人間は腰を下げ、ネコリスの目線に立ちました。
 ネコリスは人間の匂いを嗅ぎ、指を舐めました。
 いつか遠い昔、友達だった人間にしたみたいに。
 ネコリスはそのまま人間の元から立ち去りました。


/*/


 ネコリス達はこの森から離れない事を決めました。
 いつか人間からお話をもらって食んでいた頃のように、また人間と仲良くできるかもしれない、ネコリスはそう思ったのです。
 それからネコリスはまた森から姿を見せるようになりました。
 いつか親切にしてくれた老人のように、いつか一緒に遊んだ子供達のように。
 人間とまた友達になる為に、ネコリスは森に残る事を決めたのでした。

小カトー・多岐川(ACE)

L:小カトー・多岐川={
 t:名称=小カトー・多岐川(ACE)
 t:要点=バンダナ+フライトジャケット,ピンク頭
 t:周辺環境=流星号(FEG版)
 t:評価=全能力19
 t:特殊={
  *小カトー・多岐川のACEカテゴリ = 個人ACEとして扱う。
  *小カトー・多岐川はI=D,RB,航空機を使うことができる。
  *I=D戦闘時、あらゆる判定は評価+9される。
  *RB戦闘時、あらゆる判定は評価+12される。
 }
→次のアイドレス:・舞踏子(職業)・やわらか舞踏子(職業)・名パイロット(職業)・天空の騎士(イベント)


HQ取得したので能力+1 全能力20
取得根拠

小カトー・多岐川


イラスト:矢上ミサ@鍋の国さん  (マジでありがとうございます。ペコリ)

プロフィール

誕生日 6月22日
身長 165cm
体重 49kg


説明文

元:小カトー・タキガワ。
「絢爛舞踏祭」登場人物。憧憬の絢爛舞踏。
滝川一族出身の少年。滝川一族出身のせいか戦闘機とロボット、ハンバーグ大好き。加藤家の代表として髪の毛をピンクに染めている。大人びてると思ったら子供じみている所も見え隠れする少年である。程よく助平。冗談なのか本気なのか「彼女欲しい」を連呼する事がある。根はかなり優しく、騙すより騙される主義。ヴィクトリー関係で命を度々セプテントリオン及び白オーマに狙われている。アイドレス第一シーズンで登場しなかったのも、セプテントリオンによって暗殺されていたからであった。

本人の知らない時間に、一度だけハノイ空港で別の名を語る佑華と遭遇し、それ以降佑華に追いかけられる事となった。
世界移動存在ではないがたびたびワールドタイムゲートから落ちてきて佑華と交流をしていた。しかし、佑華と付き合う事は歴史が変わる事、すなわち世界を壊す事。ゆえに最初は佑華を思いっきり避けていたが、佑華のゴリ押しに根負けし、一緒に世界を壊さずにお付き合いする方法を模索する約束を交わした。
しかし、バレンタイン戦役で光となり、救出されたものの今までの佑華との交流含むニューワールドの記憶全てを失った。まあ、それでも、二人はやり直す事ができた。記憶はなくとも彼の隣には佑華がいた。記憶に頼らない絆があったのだと、佑華は信じている。
小カトーからいつか一緒に飛行機に乗ろうと約束した佑華。いつかFEGに連れ帰って流星号も見せてあげたいなあと思うのである。


ログ集

金村と小カトーのこれまでの話
金村と小カトーのこれまでの話(2)

遭遇一回目:マイル亡者の第一歩。どうにかマイルかき集めて小笠原に行ったら空から小カトー降って来ました。その段階で頭沸騰して当時着ていた貧弱なアイドレス(西国人+猫士+パイロット+名パイロット)で飛び降りようとしたり泣いて駄々こねたりと、今考えても無茶な事をしていました。こんな挙動不審な佑華に対しても、小カトーは優しかったです……。

遭遇二回目:パソコンの回線が具合悪く、携帯で頑張った二回目小笠原。当時はまだ質疑しておらず、小カトーが「絢爛舞踏祭」本編より前から来た事を知らずに色々口が滑ってしまい、何とかしようとしゃべればしゃべる程ドツボにハマってうまくしゃべれませんでした。そんなんでも小カトーは話をよく聞いてくれました。いい子……。

遭遇三回目:連れの芹沢が初小笠原なので評価とか気にせずまったり遊ぼうと思ったら、何故か是空藩王と小カトーがBLしていました……。さらに謎の敵襲来でバッタバッタし、小カトーの「もうすぐ穴塞がる」発言に混乱し、思わずその場で告白。スルーされて泣きました。

外伝・お見合い:グリーンジャケットに一緒に参加した皆さんと海法さんとのお見合いに行ったら、大惨事に巻き込まれました…。小カトーがふみこに騙されて吊るされて燃やされて、小カトー来るまでは平常心だったのに混乱して思考止まって何もできませんでした…。ACEや助けに来てくれた皆さんのおかげで焼死者全員助けられました。本当によかった……。

遭遇四回目:初詣に出かけて一緒にお参り。小カトーWTG通って帰ろうとしている所を襲撃されました。今日子に助けてもらってどうにか小カトー入院させ、改めて告白し直しました。必死すぎてログ読み返さないとその時の事を覚えていません。小カトーから歴史が変わる発言されて混乱し、後日時間犯罪者素子に相談し、「好きならやっちゃいなさい」とアドバイスをもらって、再度小カトーと向き直す事となりました。

遭遇五回目:入院した小カトーのお見舞いに行きました。問答の末何故か小カトーを襲う展開になりました……。小カトーの律儀な恋愛観を聞き、小カトーからおでこチューを得ました。

外伝・バレンタイン戦役:バレンタインデーに起こった大規模戦線に小カトーが参戦してました。質疑応答の末、戦っていたのは私の呼び出している小カトーだと判明しました。

試練一時間目:バレンタイン戦役の結果、小カトーは光となりました。小カトー死亡の情報だけ知って混乱したまま、試練は失敗に終わりました……。

試練二時間目:先のエースゲームにより小カトーは無事助かりました。が、小カトーはニューワールド関連の事を全て忘れてしまいました。でも小カトーは明るかったので精神的に救われました。しゃべった感じ自分の事忘れてる以外は普段と変わらなかったし。ただ小カトーにテストの事連呼され、「テストの事覚えてるのに私の事は忘れたんか」とヘコんだのは内緒の話です。

試練三時間目:質疑の結果、小カトーは追試受かったばかりと聞いて小カトー好きな所にデートに行こうと飛行場でまったり。飛行機の免許取ったら一緒に乗ろうと約束しました。お弁当食べに秋の園の川辺に行き、そこで試練突破しました…。記憶やっぱり失くしたまんまだったけれど小カトーは相変わらず優しかったです。試練二時間目で評価リセットされて+2+2になっていたので、試練している事も突破できた事も最後の最後まで気付きませんでした。



余談1:佑華の小カトーの呼び名「ショウ君」はアニメ版「絢爛舞踏祭マーズデイブレイク」の小カトーの愛称「ショウ」から来ています。「タキガワ君」だとたくさんいて、「カトー君」だと大カトーと被り、「小カトー君」だと微妙に長いので「ショウ君」呼びが定着しました。ちなみに要点に「ゴーグル」じゃなく「バンダナ」が入ってるのはアニメ版の影響だと思われます。
余談2:小カトーと佑華(別PC)の初接触は掲示板ゲーム「Aの魔法陣による新年会」で、舞台がハノイ空港でした。佑華の呼び出している小カトーは「絢爛舞踏祭」本編前の地球の学生の小カトーなので時系列的にハノイ空港の事は知らないはずです。
余談3:ちなみに佑華、今まで一度も名前呼ばれた事も「好き」と言われた事もありません。勲章取ったし、そろそろ言ってくれてもいいよねえと思っています。

榊遊@え~藩国さん依頼SS

 男とは格好つけたい生き物である。
 ハードボイルド。固ゆで卵。崩れないの意。
 まあ実際女は自分にだけ弱みを見せてくれる男に惹かれるものなのだが、それはまあ、男の面子と言うものがあるので割愛しておく。
 日向玄乃丈もまた、そんな格好つけたい男の一人であった。


/*/


 入り江にはたくさんのカヌーが停まっていた。
「わあ」
 日向の隣には、榊遊。彼女は珍しそうにキョロキョロしていた。
「カヌーって急流とかで乗っているのを以前映像でみた覚えがあるのですが、レースだとどういう風になるのですか?」
「あのポール、見えるか。7km先だ」
「えっと……」
 日向は優しく教えた。
 遊は目を凝らして日向の指差す方向を見た。
「あそこにいって、帰ってくる。そう言うレースだ。4チーム出る。賭けも出来る」
「沢山ありますけど1レースでは4艘なのですか?」
「ああ」
「賭けですか……実際のレースをまだ見ていないのでなんとも判らないのですが盛り上がるものなんですの?」
「しばらく見るといいんじゃないか」
 日向はそう言うと、近くの席に座った。
「そうですわね、では……」
 遊もならって席に座る。
 ボートはデッドヒートだ。
 是空号と海法号が競っている。
 遊は初めて見るカヌーレースに興奮で頬を赤く染めた。
「す、凄い迫力ですわ……コレでお金が掛かったら確かに……」
 嬉しそうに言う遊を見て、日向は少しいい所を見せたいと言う誇示欲が頭をもたげた。
「いいねえ。俺もやりたくなるな」
 その言葉に遊はきょとんとした顔をした。
「え? 参加出来るのですか?」
「ん。ああ。もちろん」
 日向はチラリと入り江を見た。
『ACEと暁、参加お断り』
 少し考えたが、まあ勝負に勝ちたい訳ではない。
 少しいい所を見せられればそれでいい。
 日向は笑って立ち上がった。
「ACEと暁、参加お断りか……」
「……残念ですわ」
「ただ乗るならいいんじゃないか? レース抜きで。やってみるか?」
 笑う日向を見て、遊は微笑んだ。
「え? ……あ、是非♪」
 その言葉を聞いて日向は上着をポンと遊に渡した。
 遊は渡された上着を大事そうに持って、カヌーのオーナーに交渉する日向を見ていた。
 どうも借りれたらしい。
 日向は上半身で出てきて、遊に軽く手を振った。
「いってくる」
 遊は嬉しくなって頷き、手を振った。
「頑張ってください」


/*/


 女の前で格好いい所を見せたいと言うのは男の性である。
 まあ、その微妙な下心も今は忘れて、日向は一心不乱にカヌーを漕いだ。
 風を捕まえた。そこからカヌーは加速する。
 あっと言う間に是空号は抜き去った。
 そのまま、遊の目から日向は見えなくなった。
 遊は歓声をあげていた。


/*/


 日向は上機嫌で戻って来た。
 いい運動になった。
 遊を見つけると微笑んだ。
「中々だったな。いい腕してるといってくれ」
 日向はそう他の選手を褒めると、遊の隣に座り、そのままぶっ倒れた。気持ちよさそうに。
 遊は「あらあら」と笑いながら日向を見た。興奮でまだ頬が蒸気している。
「凄いです、先に行ってたカヌーをあんなにあっさり抜いてしまって」
「ありがとうと言っておこうか」
「とってもカッコ良かったですよ」
 日向も興奮と運動後で体全体が熱で熱い。
 遊はそんな彼をうちわで扇いだ。
 日向は気持ちよさそうに目を細めた。
「いいねえ。実は、汗がかけなくてな」
「このままお昼寝でもいたしますか?」
「ごめんこうむる。例えゲームでも。女の前でそんなことはしたくない」
「残念です。膝枕をしながら寝顔を見れるかと思いましたのに」
「悪いな。俺にも魅力的には思える。だがどうせなら、格好つけて生きたいじゃないか。どこででも」
 風が穏やかに吹いた。
 その風に当たり、日向は目を瞑る。
「そうですわね、格好良い生き方に憧れはしますわね。」
「ま、腹減るが」
「でも、好きな人には少しは甘えてもらいたいと思うこともありますよ?」
 そのまま二人は、風に吹かれていた。


/*/


 男とは格好つけたい生き物である。
 ハードボイルド。固ゆで卵。崩れないの意。
 女とは格好つけている所も、自分にだけ弱みを見せてくれる所も含めて愛せる生き物である。
 二人の関係とは、まあそんなものだ。

霰矢蝶子@レンジャー連邦さん依頼SS

 恋心と空の青


 恋とは瞬発力である。
 理性より感情。
 思考より直感。
 長考より行動。
 蝶子は必死だった。
 離れるなんて嫌、置いていくなんて許さない。
 必死に必死すぎて。
 現在空を延々と落ちている真っ只中だった。


/*/


 そこは延々と青空が続いていた。
 どこを見回しても空の青。青。青。
 蝶子はヤガミに抱きついたまま、この青空を延々と落ち続けていた。
「大丈夫か? 寒くはないと思うが」
 ヤガミが声をかけてきた。
 当然だ。蝶子はパジャマ姿のままヤガミを追いかけて、ここまで来てしまったのだから。
「はい、大丈夫です。寒くはないです。ありがとう。」
「ここまでいると、もう戻れないな。1年はたっている」
「1年……!」
 蝶子は絶句した。
「こ、ここ。なんなんですか? ゲート?」
「そうだな」
 ヤガミは答えた。
「これはグリフだ。心の境界面の風景だな」
「グリフ……?」
 どこかで聞いた事のある言葉だった。どこかまでは覚えていないけれど。
「心の境界面、ですか。誰の?」
「恐らくは、お前の」
 ヤガミは微笑んだ。
「俺なら星空になるはずだ」
「私のー……。そうか。私の心。青空なんですね。」
 蝶子も一緒になって微笑んだ。
 ヤガミの見える景色を想像してみる。
 いつか言っていた「俺は星だ」の発言を思い出し、微笑んだ。
「星空もいいなあ。」
「そうだな。見たいものが見れる。このまま永劫に落ちる」
「ヤガミは、どうやってここに? 私が呼んだから?」
「いや、盛大に落ちていくのが見えたから」
「うわあ見つけてもらってよかった。ありがとうございます。」
「助けたら少し照れたが」
 その一言に、蝶子は顔から日が出そうな程真っ赤になった。
「す、すみませ……!」
 蝶子が謝るのに、ヤガミは明後日の方向を見た。
 ヤガミも何となく頬が赤いように見える。
「……まあ、忘れてやるから安心しろ」
「……覚えててもいいです。恥ずかしいけど覚えてて下さい。それで時々思い出しては照れて下さい。からかってもいいから」
「……だったら謝らなければいいのに」
 ぼそりとつぶやくヤガミ。
 蝶子はキョトンとした。
「あ、謝らなくてもいいですか。ヤガミが嫌だったかな、と思ってたんですけど。」
「俺は……」
ヤガミは少し言いよどんだ。
「そもそもいつ俺がからかった。からかってるのはお前のほうだろう」
 蝶子は「ポンッ」っと爆発した。
「か、からかってなんかないです!からかえるだけの度胸があれば、あれば、もにょもにょ。ヤガミはほら、ヘビドリンクの時とか!この間のデートの時とか!」
 あれやこれを思い浮かべてヤガミの腕の中でバタバタする。
「そんなことやったっけ」
「やりましたー! やりましたー! 覚えてるんですからね!」
 蝶子の発言にヤガミはガーンと言う顔をした。
「というか抱きついたのはからかってなかったのか!」
からかってると思ってたのか!
 蝶子も釣られてガーンと言う顔をした。
 ヤガミの腕の中で「うー」とうなった。
「私はいつも大真面目です。」
「俺も真面目だ。実に」
 そのまま二人は顔を見合わせた。
 そのまま「プッ」と吹き出して、笑った。
 似た者同士なのだろう。


/*/


「パーフェクトワールドに行く」
 ヤガミは言った。
 空の色は、まだ続き、二人の落ちていく速度もまた変わらなかった。
「何をしに?」
 蝶子が返す。
「日向と言う男がいる」
「助けたいんですね。日向さんを。」
「そうだ。それに。見てみたい」
「何を?」
「冒険艦でしか見れない光景を」
 蝶子はそう語るヤガミの目をじっと見た。
「私を連れては、いけないのですか。」
「だから、国が……」
 ヤガミが言いよどむ。
 蝶子は王である。レンジャー連邦の。
 王がいないと、国は滅ぶ。当然の摂理だ。
 それでも蝶子はがんと言う。
「私では。あなたの横で、同じ光景を見れませんか。王様だからふられるんですか。私」
「そうだな。王様というのは自分勝手には出来ない」
「私、あなたを失って、王様を続けていく自信ないんですけど。」
「だから、忘れさせると」
「それは却下。」
 蝶子は首を振った。
 ヤガミは肩をすくめた。
「頑固すぎるぞ」
「あなたを忘れても同じことです。ずっと私の心を支えてきたのはあなたなんだから。はい。頑固なんです。かたくななんです。頭が固いんです。」
 ヤガミが黙ると、蝶子は畳み掛けるように続けた。
「なんて言ったってこれだけは譲れないです。あなただけは、譲らない。」
 蝶子の言葉に、思わずヤガミはナニかをしようとした。
 蝶子はポッと顔を赤くした。
「め、眼鏡ですか?」
 ヤガミは思わず止めた。
「当然だ」
「で、ですよね。えへへ。」
 似た者同士二人、抱き合ったまま黙っていた。


/*/


 空の青は続いた。
 不安を感じないと言えば嘘になる。
 でも今は、自分の感情を、直感を、行動を、信じたい。
 蝶子はヤガミに抱きついたまま流れに身を任せていた。
 目的地は、あと少しである。
 

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